11月30日(日)午後3時半から5時半、恵比寿co-baにて、総会の後の記念講演会として、第2回アニマルウェルフェア大学が現地+オンラインで開催されました。20名ほどの参加者で「秋川牧園の歩みと これからの経営戦略」の貴重なお話を聞く機会となりました。

講師の秋川正さんは、株式会社秋川牧園代表取締役社長・AWFCJ会員(元理事)で、秋川牧園の2代目です。お祖父様が中国で立ち上げた秋川農園を基礎と考えると3代目とのこと。基本理念は、「口に入るものは間違ってはいけない」です。
年々、収益を伸ばして会社規模は大きくなっていますが、そのベースには、農業は家族経営が一番向いている、農業者が身近であり続けることと、無農薬の野菜、無投薬の鶏、農薬や遺伝子組み換え飼料を使わない安心安全な食を消費者に提供することが農業者の使命であるという考えで、唯一無二のブランドを作り上げています。鶏がベースですが、牛乳や野菜など多角的に生産しています。最近は飼料米作りや、「土」作りなどに力を入れて農業のあり方をさらに深化させています。
- 経営の考え方① 「価値を作る」 そして、「価値観を共有する消費者」が大切
- 経営の考え方②「加工」することでライフスタイルに合った「価値」を作り続ける
- 経営の考え方③消費者との関係性を大切にして選ばれるブランド力を作る
- 経営の考え方④ 健康、美味しい、サステナブルなライフスタイルブランド
- 経営の考え方⑤ きちんとした生産を行うことが、結局はアニマルウェルフェアやサステナブルな畜産につながる
秋川さんは大きな会社を経営していますが、鶏を語る目は優しく、1つ1つの命への配慮が原点だと感じました。例えば、生後11日を過ぎたら、夜間は電気をつけずに自然光のサイクルで鶏たちは暮らします。生まれた直後は真っ暗だと迷子になるから。しかし、ある程度育ったら、夜はしっかり寝てもらい、ゆっくり育てば良いとの考え方です。光や風が入る開放鶏舎で飼育して、飼育密度は坪あたり35羽以内にしているそうです。
一般的なブロイラーは生後45日ほどで出荷しますが、秋川牧園では60日育てています。しかし、品種改良が進み、年々、鶏のサイズが大きくなっているのが課題とのこと。屠畜方法もアニマルウェルフェアとしては課題があるそうです。誰もが手に入れやすい価格帯と、アニマルウェルフェアのバランスを取る難しさもお話しされていました。
講演会後の質疑応答では活発に意見が出されて、1つ1つに丁寧に答えてくださっていたのも印象的でした。秋川牧園が、消費者に真摯に向き合う姿勢が、まさに秋川社長のお人柄そのものだと感じる講演会でした。ありがとうございました。
(岡田朋子)